ILL NINOの原型となるバンドが誕生したのが1999年の事。元PRO-PAIN、LAAZ ROCKIT、M.O.D.などで活躍していたドラマー、デイヴ・チャヴァッリが中心となってEL NINOを結成、当時から英語/スペイン語の両方を織り交ぜた歌詞と、ラテン・テイストをとり入れたラウドなサウンドを創り出しており、地元ラジオ局のサポートやFEAR FACTORYやHATEBREEDらとのツアーによってファン層を拡大していた。この時期当時ツアー中だったSOULFLYの助っ人ドラマーとしてデイヴが急遽同行することになり、その間EL NINOの活動は休止するのだが、約2ヶ月のツアー後デイヴは自分達のバンドの方向性を見直し、もともとベーシストであったクリスティアン・マチャドをヴォーカルに、そしてマーク・リゾ(g.)、ジャーデル・パイサンテ(g)、ラズ・ピナ(b)、元Ricanstructionのロジャー・ヴァスケス(Per.)というラインナップの下、バンド名もILL NINOと改め活動を再開する。もともと持っていたラテン・テイストを取りいれたラウド・ミュージックという音楽性はそのままに、よりメロディ・ラインに重点を置いたサウンドを生み出し、2000年に入るとKITTIE、SOULFLY、SNAPCASEらとツアーに出、地元ニュージャージで行われたMarch Metal Meltdown Festivalではトリ前の出番を務めるなど改名後も勢力的にライヴ活動を行い、そのツアーでの絶大な人気と、ヘヴィかつメロディアス、そして南国風のバンド名という目新しさもあり、世界最大のカレッジ・ラジオ、WSOUの絶大なサポートを受け、その人気は拡大していった。
そんな状況の中、ロードランナーと契約を結び、デビュー・アルバム用の曲作りを進めて行く一方でお披露目の意味も込めて今やレーベルメイトとなったSOULFLYのサポート・アクトで全米をサーキット。そして2001年7月、『レヴォリューション/レヴォルシオン』で記念すべきデビューを飾る。その独自の音楽性と、ヘヴィかつメロディアスというサウンド・スタイルが受け、シングル「ホワット・カムズ・アラウンド」のラジオ・ヒットも手伝い、最終的にこのアルバムは全米で20万枚に届く勢いの売上を見せた。アルバム発表後はひたすら長期ツアーを行い、デビュー前から定評のあったその圧倒的なライヴ・パフォーマンスでさらに多くのファンを獲得していく。中でもハイライトととなったのは、2002年の全米、そしてヨーロッパで開催されたOZZFESTへの出演、そして同年P.O.D.やDROWNING POOL、STATIC Xらと行ったJagermeister Tourであろう。
約2年に渡る長期ツアーを終えた彼らは休む事なく次のアルバムの制作準備に取りかかるのだが、ここでオリジナル・メンバーであったマーク・リゾとロジャー・ヴァスケスがバンドを脱退してしまう。友好的かつ建設的にバンドの下を離れた二人の後任に、長いツアー中に知り合い非常に仲良くなった元Point4Hope/God Is Iのダニー・コウトをパーカッションに、そして元MACHINE HEADのアールー・ラスターをギタリストに迎えて2003年春にレコーディングを開始、彼ら独自の音楽性をさらに追及したセカンド『コンフェッション』を完成させ、2003年9月に発売。今作からのリード・トラック「ハウ・キャン・アイ・リヴ」が映画『フレディvsジェイソン』の主題歌に抜擢され、彼らの持つラテン・ヘヴィネスをより幅広い層にアピール、結果このアルバムは全世界で50万枚を超えるセールスを記録、見事にゴールド・ディスクを獲得し、その名を一気に世界規模に広めていく。その後もSEVENDUST、GODSMACK、SOULFLYらと何度も全米をサーキット、その間にヨーロッパのフェスティヴァル出演を含むツアーを数回こなし、凄まじい本数のライヴをこなしつつその人気を確実なものとしていき、またバンドとしての結束力も一段と強めることとなった。
そしてまた約2年に渡るツアーを経、彼らはレコーディングに突入し、自分達のサウンドをより研ぎ澄ませた最新作を完成させ、2005年9月、彼らの3作目となる『ワン・ネイション・アンダーグラウンド』を発表する。HATEBREEDのジェイミー・ジャスタをゲストに迎えるなど、よりバンド自らが「鳴らしたい」サウンドに傾倒した作品となり、精力的にツアーもこなしていくのだが、この作品と、2006年に発表した『ザ・ベスト・オヴ』の発売をもってロードランナーとの契約が終了する。
その後バンドはしばらくしてから新興インディ・レーベル、CEMENT SHOES RECORDSと契約を交わし、まず2006年11月に『ジ・アンダー・カヴァー・セッションズ』EPを発表、が、このEP発表直前にジャーデルがバンドを脱退、新たにディエゴ・ヴェルドゥスコ(g)を迎え入れ、バンドはギグを重ねながら、4作目となる最新作のレコーディングに入り、2008年3月、まずUSで今作『エニグマ』を発表する。より”イル・ニーニョ”らしさをふんだんに取り入れたこの作品は大きな支持を得、ヨーロッパや南米で圧倒的な歓待を持って迎えられる事となった。そして、US発売から遅れること約半年、CEMENT SHOES RECORDINGSとライセンス契約を結んだロードランナー・ジャパンから日本盤としてようやく発売される事となる。日本のファンのために、限定発売で現在入手困難となっている先述のEPをつけたスペシャル・エディションという形態での発売となる…。